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それから私達は近くの公園に来て綾の怪我の手当をしていた。

ハンカチを水で濡らして傷口を吹き、絆創膏を貼るとようやく気持ちが落ち着いたのか綾が「助かった」と、呟いた。

「本当にかすり傷ですんでよかったよ。あいつはサッカーボールうを切り刻めるだけの力があるんだからな」

健太が奇跡を喜ぶように言う。
傷が浅かったのは良かったけれど、それで安心はしていられない。

昼間あれだけ学校内を調べても見つけられなかったピエロが、見計らったかのように出てきたんだから。

「明日もあいつは現れるのかな」
綾がポツリとつぶやき、そのヒザに涙が落ちてきた。

「綾……」