そのすきを狙ったかのようにピエロがナイフを綾の足に振り下ろしていたのだ。
「綾!!」

健太が叫び咄嗟に落ちていた枝を拾ってピエロめがけて駆け出した。
そして勢いよくピエロの胴体へ向けて棒を叩き込む。

ピエロは一瞬にして吹き飛ばされ、その間に私と竜二のふたりで綾の体を支え、校門へ向けて歩き出した。

綾は青ざめて震えているけれど、傷はそんなに深くなくて血は少ししか出ていない。
きっと怪我の方は大丈夫だろう。

後ろから合流した健太とともに、私達はどうにか校門を出たのだった。