「隠れろ!!」
竜二が叫んで咄嗟に昨日と同じ物置の陰へと見を潜めた。

ピエロの手にはまだナイフが握られていて、迷うことなく音が近づいてくる。
「どうしよう、どうしよう」

綾がガタガタと震えて両手で自分の体を抱きしめている。
「ここじゃダメかもしれない。校舎へ向けて走ろう」

昨日隠れた場所を見破られていると察して健太が走り出す。
それに続いて私と竜二も駆け出した。

「待って!」
うずくまっていた綾が1人取り残されてしまった。

「綾!?」
健太が振り向くより先にピエロが綾に追いついていた。

綾はピエロから逃れようと一歩前に足を踏み出したけれど、うまく力が入らなかったのかその場に転倒してしまう。