そうして図書委員の仕事を終えてグランドへ出ると、つい昨日のことを思い出して警戒してしまう。

「今日は大丈夫だろ」
竜二が警戒している私に気がついて後ろから声をかけてくれた。

「あれだ学校の中を探していなかったんだから――」
と、健太がいいかけたときだった。

カランッと音がして私たちは動きを止めた。
聞き慣れた音楽が聞こえてくる。

カラカラと音を立てて細いタイヤが回転し、ピエロが姿を見せたのだ。
「嘘でしょ……！？」

校門の陰から出てきたピエロに後ずさりをする。

真っ直ぐに進むことしかできないピエロがギシギシとタイヤをきしませて無理やり方向転換しながらこちらへ向けて動き出す。

その動きは明確に私達４人を狙っているようだった。