中は埃っぽくて暗くて、奥まで確認できない。
この中にピエロが隠れていたとしても誰も気が付かないだろう。

健太がスマホの明かりで周囲を照らしてくれている中、私達はマットや跳び箱の中までくまなく調べた。

「キャア!」
後ろから付いてきていた綾が突然悲鳴をあげたので、私が咄嗟に振り向いた。

同時に健太がかけよる。
「どうした? 大丈夫か?」

「蜘蛛の巣が……」
健太の問いかけに綾が答える。

ここに置かれているのは普段使われなくなった古い道具たちで、あちこちに蜘蛛の巣があって、綾の頭にひっかかったみたいだ。