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2年A組の教室へ入っていくとすでに他の3人は登校してきていた。
竜二が近づいてきて「昨日は大丈夫だったか?」と、聞いてくる。

「うん。家に帰ってもピエロはいなかったよ」
「そっか。よかった」

ホッとした笑みを浮かべる竜二の後ろで健太が険しい表情を浮かべている。

「だけどこれでピエロがどこにいるかわからなくなった。いっそ、千夏の家にあって、確保できたほうがよかったのかもしれない」

「なに言ってんだよ。千夏が危なくなるだろ!」

怒鳴る竜二をたしなめて「ピエロを捕まえて燃やすとか捨てるとか、そういうことができると思う?」と、健太に聞いた。

「1人じゃ無理だと思う。だけどこっちは4人いる。誰かが囮になってその間にピエロからナイフを奪えば捕まえられるはずだ」