私達が勝利したわけじゃない。
だけど、これは勝ち負けの勝負だったんだろうか?

今ではそんな疑問が浮かんでくる。
「映像の中で見えたふれあいホームって、私知ってるよ」

随分と顔色がよくなった綾が言う。
「知ってるの?」

「うん。私のおばあちゃんが利用してる老人ホームなの。今も週に一度くらい会いに行ってる」

「それなら、場所がわかる?」
「もちろん」

頷く綾に、私は竜二と健太へ視線を向けた。
ピエロの持ち主だった美月ちゃんは、きっとそこにいる。