思惑通りピエロはひるんで動きを止めたけれど、攻撃できたわけじゃないからきっとすぐに追いつくはずだ。

4人グラウンドへ出た時、竜二がなにかを見つけてかがみ込んだ。
「マイナスドライバーだ」

手にしたものをしげしげと見つめている。

「先生がなにかの修理をして、片付けるのを忘れたんだろうな。これをあいつのタイヤに打ち込んでやる!」

竜二が振り返ると、昇降口からピエロが姿を現した。
咄嗟に後ずさりすると、竜二と健太が私と綾の前に出てきた。

「竜二、ここはひとまず僕がピエロをひきつける。そのときにドライバーを打ち込むんだ」

「あぁ。任せろ!」
竜二が承諾したその瞬間だった。

再び私達の視界が変化した。