説明している間にお母さんとお父さんの顔は渋いものに変わっていた。
「千夏、どうしてそんな嘘をつくの?」

「う、嘘じゃないよ!」
「人形がひとるで動いて学校まで行くなんて、そんなことあるわけないでしょ」

「で、でも……!」
実際に起こった出来事だし、私もこの目で見た!

そう言いたかったけれど、お父さんの強い咳払いによって言葉を遮られてしまった。

簡単に信じてもらえることじゃないのはわかっていたけれど、こんなに頭から否定されるとは思っていなくて胸がチクリと痛む。

それから私は黙って食事を終えたのだった。