竜二の掛け声を共に全員が一斉にドアへと走る。
一番ドアに近かった健太がまず到着して、ドアノブに手をかけた。

お願い!
開いて!

願う気持ちで見つめると、ドアはすんなりと開いて健太が廊下へ飛び出した。
安堵する暇もなく、私たちも続いて廊下へ飛び出る。

竜二が準備してくれたバッドは昇降口だ。
私が持ち歩いているスプレーはカバンの中にある。

そのカバンは図書室の事務所の中だから、取りに戻ることはできない……。
考えながら焦って何度も転びそうになってしまう。

私達は今ナイフを持ったピエロを前に、なんの武器も持っていない状態だ。
「とにかく走れ! 隠れられる場所に隠れろ!」