「いやぁ!!」
悲鳴を上げて咄嗟に飛び退く。

「なんでこんなところに出てくるんだよ!」
竜二がピエロに背を向けないようにして後ずさりをする。

「今までフラウンドにしか出現しなかったから、油断した」
健太が悔しそうに顔を歪める。

綾はそんな健太の後ろでガタガタと震えていた。
「いっせーので走ってドアまで行くぞ!」

竜二の言葉に他の全員が頷く。
図書室のドアが開かないかもしれないけれど、その時はその時だ。

今はピエロと少しでも距離を保たないといけない。
「いっせーのっ!」