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家にあったはずピエロが学校のグラウンドに現れた。

それだけでもおかしな出来事なのに、家に戻ってくるとあの人形の姿が見えなかった。

クローゼットの中もベッドの下もくまなく調べたけれど出てこない。
「あ、あのさぁ、私のピエロの人形知らない?」

夕飯のときになにげなく両親へ訊ねてみたけれど、ふたりとも知らないようだった。

「お母さん、今日は仕事が休みで家にいたんだよね? なにか変な音を聞いたり、見たりしなかった?」

「特に何もなかったわよ? なにかあったの?」
首にかしげている母親に私は思いきって今日の出来事を説明した。

古物市で購入したピエロの人形がグラウンドへ出現して、その手にはナイフが握られていたこと。
そしてサッカーボールが切り刻まれたこと。