ピエロがもう少し知能的なら会話だって成立していたかもしれない。
だけど今の所そんな様子はなかった。

そうしてしばらく仕事をしていると、ようやく綾と健太のふたりが図書室へ戻ってきてくれた。

「どうだった?」
カウンターから身を乗り出して聞くと、健太が少しだけ明るい表情を見せた。

「色々聞くことができたよ。幽霊探偵さんはあの家に行ってピエロに追いかけられた。それは本当のことみたいだ」

電話で聞いた話はかなり信憑性があるものらしく、家の場所や間取りもはっきりしていたらしい。

「この動画をもう一回確認してみて」