「この人のあのピエロに追いかけられたんだ!」
私の声がつい大きくなる。

少しでも自分たちと同じ現状にいる人を見つけて、気持ちが高ぶっているのを感じる。
「この人になにか聞けば、ヒントがみつかるかもしれない」

健太がそう言い、さっそくSNSのダイレクトメッセージ画面を開く。
ネット上で幽霊探偵と名乗っているその人は、他にも様々な心霊スポットへ行っている、有名人みたいだ。

【幽霊探偵さん。突然のご連絡ですみません。こちらは○○中学校の生徒です。実は少し前から僕たちの周りで奇妙な出来事が起こっていて、幽霊探偵さんにご相談したいことがありまして――】

「そんな回りくどい書き方じゃ伝わらねぇだろ」
健太が丁寧にメッセージを書く横から竜二が手を伸ばした。