「だけどこの人はピエロに襲われたわけじゃなさそうなんだ。ただ、音楽が聞こえてきて怖いっていうだけで」

健太が言う。
「ピエロは姿を見せてないってことか……」

竜二も腕組みをして考え込んでいる。
ピエロは襲う人間と、襲わない人間を選別しているんだろうか?

だとしたら、その基準はなんなのか。
わからなくて重たい沈黙が私達にのしかかる。

「もっと他の情報も見てみようよ」
綾が健太を促すと、健太は他の書き込みページを表示させた。

こっちでも飯島家は幽霊屋敷として書かれていて、同じように不法侵入したのだとわかった。

【ピエロの人形が追いかけてきた!】
という書き込みを見つけて私達は目を見かわせた。