それから放課後になるまではあっという間だった。
いつもどおり4人で図書室へ向かうと、今日は図書室の利用者が少ないことに気がついた。

「今日は暇だから、ふたりだけ残ってくれればいいから」
と、先生に言われてしまった。

「それなら綾と健太は帰れよ。俺と千夏が残るから」
「そうだね。私もそれがいいと思う」

私と竜二ならピエロが来ても撃退できる。
ふたりには安全な場所にいてもらいたかった。

「いや、仕事がないなら僕と綾は幽霊屋敷について調べようと思うんだ」
健太の言葉に私は目を見開いた。

「帰らないつもり!?」
家に戻れば絶対に安全だとわかっているのに、健太も綾も帰ろうとしない。

「この時間に少しでもなにかの手がかりを見つけることができれば、前進できるでしょう?」
「でも……」

「私達のことは心配しないで。昨日みたいにうまく隠れるから」
綾はそう言い、健太と共にパソコンスペースへと向かったのだった。