自分の部屋でベッドに潜り込んでいると、何度も何度もピエロが見せてきた映像が思い出された。

幸せな飯島家。
女の子に気に入られていたピエロ。

それから年月がたって家族は全員あの家からいなくなり、なぜかピエロが公園のゴミ箱に捨てられていた。

「美月ちゃんはピエロを持って行かなかったってことだよね……」
私は暗い部屋の中で呟く。

成長した美月ちゃんはピエロを家に置いて出た。
大人になったからピエロが不必要になったのかもしれない。