と大きな音が響いてピエロがバランスを崩す。

それでも倒れないのはやっぱり異様な光景で、竜二が更にタイヤを攻撃したことでようやく横倒しに倒れ込んだ。

「今のうちに逃げるぞ!」
竜二に腕を掴まれて懸命に走る。

前回と同様にまわりには誰の姿もなく、物音も聞こえてこない。

民家の裏手へと回った時、突然人が姿を見せて危うくぶつかりそうになってふたりして足に急ブレーキをかけて立ち止まった。

「危ないだろ!」
スーツ姿の男性が怒鳴りながら遠ざかっていく。

「終わったみたいだな」
それを見て竜二がホッと息をを吐き出した。