「なんだあの動きは。体も動くようにできているのか?」
「そんな風にはできてなかったはずだよ」

健太の疑問に私は即座に答えた。
どう見ても首元が妙なねじれ具合をしている。

「竜二! 戻ってきて!」
悪い予感がしてそう叫んだときピエロがナイフを振り上げた。

それが勢いよくサッカーボールに突き立てられる。
サッカーボールがパンッ! と大きな音を上げて弾け飛んだ。

竜二が弾かれたようにこちらへ駆け戻ってくる。
私たち4人はすぐに物置の陰にかくれた。

「な、何だよ今の」
竜二の声が震えている。

間近でピエロを見たせいか、その顔は真っ青だ。