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だけど昨日の夜のことは絶対に夢じゃない。
ピエロは時間も場所も関係なく、私の前に現れるんだ。

「そうだとしたら、千夏が一番危険ってことになるね」
バスで移動中、昨日の話をしたら綾が心配そうな顔になった。

「スプレーで逃げていくことがわかったから、しばらくは大丈夫だと思う」
今日は私もカバンの中にスプレーを入れてきた。

竜二は昨日と同じようにバッドを持参している。
健太も、小さいけれどハサミを持ってきたみたいだ。

「問題はスプレー攻撃がいつまでもつか、だな」
健太の言葉に私はうなづいた。

バッドでの攻撃だってだんだん効果がなくなってきている。