同時にナイフを振り上げてくる。
私は「いやぁ!!」と悲鳴を上げてがむしゃらにバッドを振り回す。

バッドの先に確かな手応えを感じて目を開けると、ピエロが少しバランスを崩していた。

やった!
バッドが当たったんだ!

と、喜ぶのもつかの間、ピエロはすぐに体制を立て直して近づいてきた。
バッドの攻撃はほとんどきいていない。

最初のときはこちらが隠れるだけで諦めていたのに、今は攻撃しても逃げ出そうとはしなくなっている。

「こないでってば!」

必死にバッドを振り回してぶつかる手応えもあるのに、それでもピエロは動きを止めない。

このままじゃ追い詰められる!