「ドアが開かない! どうして!?」
どっと全身に汗が吹き出す。

そうしている間にもピエロが距離を縮めてくるので立ち止まっている暇もない。

「誰か助けて!!」
逃げながら叫ぶ。

だけど誰も来てくれないし、コトンッとも物音は聞こえてこない。

グラウンドのときと同じだ。
いや、今はドアが開かないからそれ以上に危険な状況かもしれない。

せめて竜二たちに連絡をとることができれば違うのに!
そう思ってもスマホはテーブルの上だ。

立ち止まって電話をかけている間にピエロは攻撃してくるだろう。
それに、スマホが使えるかどうかもわからない。