っ、もしかして、聞いちゃいけないこと聞いちゃった…?!
「あ、いや、別にただの私の印象なので、お気になさらず…!」
「あはは、そんなに焦らなくて大丈夫だよ。
…なんかさ、中学の頃の俺ってキャラが決まっちゃって。ほら、王子様?みたいな。
そういうのリセットしたくて、ちょっと遠いここ選んだんだよね。」
…あぁ、そうだったんだ。でも、だとしたら…。
「…なのに、私が同じところ選んじゃったんですね。申し訳ない…」
「いやいやいやいや!!!小野寺さんが謝ることじゃないし、俺は小野寺さんと同じ学校通えて嬉しいっていうか…」
っ!
やっぱり、北条くんは優しいなぁ。
「でも、知り合いがいないところに行きたかったんじゃ…」
「そうだけど、でも、俺今小野寺さんに素の自分、見せてるよ?」
「…っえ、」
ハッとして顔を向ける。北条と目があって、少し逸してしまった。
「うん、だから気にしないで。小野寺さんだったら、大丈夫。」
ふわ、と心が暖かくなる音がした。良かった、迷惑と、思われなくて。
そう考えた自分に少しドキッとする。良いじゃないか、別に迷惑と思われても。関わりなんてほとんどないんだから。
悶々としている私をよそに、北条が言葉を発する。
「小野寺さんはさ、なんでここ、選んだの?
学力とかだけじゃないよね?」
うっ…見抜かれてる。それに、北条くんも話してくれたし、ここで私だけ内緒っていうのも…。
「…あのね、私、中学の頃、すごい地味だったでしょ?
そんな自分が、ずっと嫌で。でも、変わるタイミング、逃しちゃって…。
だから、知り合いが誰もいないところに行って、新しい自分になろう、って思ったの。」
「そ、うだったんだ。
…こちらこそ、なんかごめんね。まさか、クラスメイトがいるとは…。」
「全然!謝らないで…!それに…
北条くんなら、優しいから大丈夫。絶対馬鹿にしないって、分かってるから。」
北条くんが、一瞬びっくりした顔をして、それからすぐにぱぁっと笑顔になる。
「そう言ってもらえて嬉しいよ。
あと…これからも、さっきみたいにタメ口使ってほしいな。同い年なんだし…。」
あ、と思った。そういえば、最初は敬語だったのが、段々抜けてきてる。
「うん。
…改めてよろしくね、北条くん。」
「っこちらこそ!」
顔を合わせてえへへ、と笑い合う。
さっきまで逃げ方を探してたくらいだったのに、案外私は単純頭らしい。
「あ、校舎見えてきたよ。同じ制服の人も増えてきてるし…。」
ほんとだ。話してしまえば、あっという間だったな。
「クラス発表、見に行こっか!」
そんな私の提案に、北条くんはまた驚いた顔をして、頷きながら優しく微笑んでくれた。
「あ、いや、別にただの私の印象なので、お気になさらず…!」
「あはは、そんなに焦らなくて大丈夫だよ。
…なんかさ、中学の頃の俺ってキャラが決まっちゃって。ほら、王子様?みたいな。
そういうのリセットしたくて、ちょっと遠いここ選んだんだよね。」
…あぁ、そうだったんだ。でも、だとしたら…。
「…なのに、私が同じところ選んじゃったんですね。申し訳ない…」
「いやいやいやいや!!!小野寺さんが謝ることじゃないし、俺は小野寺さんと同じ学校通えて嬉しいっていうか…」
っ!
やっぱり、北条くんは優しいなぁ。
「でも、知り合いがいないところに行きたかったんじゃ…」
「そうだけど、でも、俺今小野寺さんに素の自分、見せてるよ?」
「…っえ、」
ハッとして顔を向ける。北条と目があって、少し逸してしまった。
「うん、だから気にしないで。小野寺さんだったら、大丈夫。」
ふわ、と心が暖かくなる音がした。良かった、迷惑と、思われなくて。
そう考えた自分に少しドキッとする。良いじゃないか、別に迷惑と思われても。関わりなんてほとんどないんだから。
悶々としている私をよそに、北条が言葉を発する。
「小野寺さんはさ、なんでここ、選んだの?
学力とかだけじゃないよね?」
うっ…見抜かれてる。それに、北条くんも話してくれたし、ここで私だけ内緒っていうのも…。
「…あのね、私、中学の頃、すごい地味だったでしょ?
そんな自分が、ずっと嫌で。でも、変わるタイミング、逃しちゃって…。
だから、知り合いが誰もいないところに行って、新しい自分になろう、って思ったの。」
「そ、うだったんだ。
…こちらこそ、なんかごめんね。まさか、クラスメイトがいるとは…。」
「全然!謝らないで…!それに…
北条くんなら、優しいから大丈夫。絶対馬鹿にしないって、分かってるから。」
北条くんが、一瞬びっくりした顔をして、それからすぐにぱぁっと笑顔になる。
「そう言ってもらえて嬉しいよ。
あと…これからも、さっきみたいにタメ口使ってほしいな。同い年なんだし…。」
あ、と思った。そういえば、最初は敬語だったのが、段々抜けてきてる。
「うん。
…改めてよろしくね、北条くん。」
「っこちらこそ!」
顔を合わせてえへへ、と笑い合う。
さっきまで逃げ方を探してたくらいだったのに、案外私は単純頭らしい。
「あ、校舎見えてきたよ。同じ制服の人も増えてきてるし…。」
ほんとだ。話してしまえば、あっという間だったな。
「クラス発表、見に行こっか!」
そんな私の提案に、北条くんはまた驚いた顔をして、頷きながら優しく微笑んでくれた。