「ねぇ悠真、サンタさんにお手紙書けた?」

 夜、朔太郎、翔太郎、理仁の三人と少し遅めの夕食を食べていた真彩と悠真。

 昼間、サンタに手紙を書くと言っていた悠真にそれとなく進捗を尋ねる真彩。

「かけた!」
「そうなの? それじゃあママが後でサンタさんに出して来てあげるよ」

 書けたという悠真の言葉で手紙を預かってこっそり中を覗いて欲しい物をリサーチしようとした真彩だったけれど、

「さくにおねがいしたからいい」

 どうやらサンタに手紙を渡す役目は朔太郎にお願いしたようで、真彩の申し出は断られてしまう。

「そうなんだ? ごめんね朔太郎くん、迷惑かけちゃって」
「いえいえ! 問題ないっス!」

 そんな中、真彩たちのやり取りを黙って見守っていた理仁が口を開く。

「そういえば、もうすぐクリスマスか。この家でそんなモンやった事もないが、悠真が居るんだからツリーでも買って飾ったらどうだ?」
「いえ、そんな! 今までも家にツリーなんてありませんでしたから気にしないでください」
「いや、それなら尚更あった方がいいだろ。おい朔、明日真彩と悠真を連れてツリー買って来い」
「了解っス」
「理仁さん、本当に大丈夫ですから……」
「悠真、ツリー欲しいだろ?」

 申し訳ないからと断る真彩をよそに理仁は悠真にツリーが欲しいか尋ねると、

「キラキラのやつ! おほしさまつけたい!」

 テレビや絵本、外へ出ても色々な所で飾られている事もあって騒ぎはしなかったもののツリーに憧れを抱いているらしい悠真は瞳を輝かせながらツリーの話を始めた。