「あの、理仁さん……一体何処へ……」
「レストランを予約したからそこで食事をする」
「えぇ!? いや、こんなにしてもらった挙句にレストランだなんて!」
「俺がしたくてしてる。遠慮はいらねぇ」
「でも……もう夜だし、流石に悠真もぐずっているかもしれないし……」
「悠真は大丈夫だ。さっき翔に様子を確認したが、朔や他の奴らが一緒になって買った玩具で遊んでいるらしい。飯も食わせたから安心していいと言ってたから心配はいらない」
「そう、ですか……」

 やはり一番悠真の事が気がかりだった真彩は様子を聞けて安堵の表情を見せる。

「だから、真彩も今は思い切り楽しめばいい。それとも、俺が相手じゃ不満か?」
「いえ、そんな事はありません! こんな……こんなに良くしてもらえて、気に掛けてもらえて、本当に感謝しています」
「そうか。俺はお前が喜んでくれたならそれでいい。ほら、行くぞ」
「……はい」

 理仁の言葉に、強く胸を打たれたのと同時に鼓動がキュンと高鳴るのを感じた真彩。

 そして、何故理仁はここまで優しく気に掛けてくれるのか、それが不思議で仕方なかった。