「マーマー!」

 車へ戻ると、買って貰ったクマのぬいぐるみを大切そうに持ちながら真彩に抱きつく悠真。

「ママ、くまさん!」
「買って貰ったの? 良かったねぇ」
「理仁さん、姉さん、おかえりなさいっス! 荷物はこれだけッスか?」
「細かい物は持って来たが、大きな物は届けるよう手配した。玩具の方はどうだ?」
「はい、こちらも車に入りそうな物は運び入れましたが大きな物は配送してもらうよう手配しておきました」
「そうか」

 悠真が買って貰った物を真彩に報告している側で理仁と状況を報告し共有していく朔太郎と翔太郎。

「あの、悠真が沢山買って貰ったようで、本当にすみません。悠真、理仁さんに『ありがとうございます』ってお礼を言って?」

 悠真から沢山の玩具を買って貰った事を聞いた真彩は申し訳なさそうに謝り、理仁にお礼の言葉を言うよう悠真に話をすると、

「……ありがと……ごじゃます……」

 言い慣れない言葉でたどたどしいお礼だったが、普段子供と関わる事のない理仁は悠真が一生懸命お礼を口にする様子を目の当たりにして口元を緩めていた。