「真彩、何から見るんだ?」
「え、えっと……それじゃあ、悠真の服を見たいので子供服売り場に行っても良いですか?」
「ああ」

 玩具を買って貰える事が余程嬉しいのか、悠真は真彩と別行動になる事を悲しみもせず笑顔で朔太郎たちと売り場へ向かって行き、それを見送り二階へ降りて来た真彩と理仁は悠真の服を見る為に子供服売り場へと歩いて行く。

「おい真彩、ここに子供服は売ってる。見ないのか?」
「いえ、ここのブランドの服はその、値段が結構しますから、別のお店に行こうかと」

 通りがかった子供服店を素通りしようとする真彩を不審に思った理仁が問い掛けると、この店は結構値段がするようで別の店に向かおうとする。

「さっきも言ったが、値段は気にしなくていい。別に高価な物を身に付けろと強制はしないが、一着や二着くらい多少値の張る物を身に付けてもバチは当たらねぇんだ。見るだけはタダなんだから覗くだけ覗いて、悠真に似合う服があれば買ってやれ」

 真彩が遠慮している事が分かっている理仁はどうすれば彼女が遠慮をせずに好きな物を選べるのか、言葉を選びながら口にしていく。