「悠真、何処に行きたいんだ?」
「あのねぇ、ゆうま、アイスたべたい!」
「アイスか……それじゃあまずはフードコートにでも行くとするか」
「わーい!」

 ショッピングモールへ着くと、アイスが食べたいという悠真の希望を叶えるべく、三階にあるフードコートへ向かう事になった。

「すみません、悠真の為にわざわざ……」
「気にするなといつも言っているだろ? 真彩も遠慮しねぇで好きな物食っていいんだぞ」
「いえ、私は大丈夫ですから、悠真にアイスだけお願いします」
「兄貴、真彩さんと先に席を確保しておきますね」
「ああ、頼む」
「では行きましょう、真彩さん」
「うん」

 アイスを買う為店の前に理仁と悠真が残り、翔太郎と真彩は混み合っている中から空いている席を確保しようと探し歩く。

 何とかタイミング良く四人席に座る事が出来た真彩たちが悠真たちを待っていると、やって来た理仁はトレーを持ち、その上にはカップに入ったアイスが二つと、飲み物のカップ二つが乗っていた。

「ほら悠真、早く食べねぇと溶けちまうぞ」
「うん!」

 席に座るとすぐに悠真の前にチョコアイスとバニラアイスの入ったカップを置き、早く食べるよう促す理仁。

「真彩はチョコミントのアイスで良かったか? よく食べてるよな?」
「あ……はい、私、チョコミントのアイスが好きなので……でも、どうして……」
「遠慮するなって言ってるだろ? 食いたい物があれば食っていいんだ。悠真と一緒にアイスを食べるってのも良いだろ?」
「あ、ありがとうございます。いただきます」

 本音を言えば真彩はアイスが好きで食べたいと思っていた。だから理仁の気遣いはもの凄く嬉しかったようで自然と笑みが溢れていた。

 楽しそうにアイスを食べる真彩と悠真の向かい側に座る理仁と翔太郎はアイスコーヒーを飲みながら何やら会話を交わしている。

「真彩さん、必要な物の買い出し、俺が行ってきますので教えて貰えますか?」
「え? あ、それなら私も一緒に――」
「ママー、ゆうま、おもちゃみたい!」
「え? 玩具は家に沢山あるでしょ?」
「みたい!」
「悠真も真彩さんと居たいみたいですし、買い物は俺が一人で行ってきますよ」
「……ごめんね、翔太郎くん……それじゃあ必要な物は――」

 理仁一人に悠真を任せるというのも申し訳ないし、自分が付いていないと我がままを言いたい放題かもしれないと思った真彩は買い出しを翔太郎一人に任せる為、必要な物を思い出しながら伝えていった。