「真彩、少し外で話すか」
「……はい」

 理仁が車を走らせること約一時間、辿り着いた先は高台にある公園の駐車場だった。

 車内は重苦しい空気が漂っていた事もあって理仁が外で話す事を提案すると、真彩はこくりと頷き小さく返事をした。

 陽も暮れて薄暗くなっていた事や寒さもあって、公園に訪れる人も少ないのか駐車場に停まっている車は数台しかなく、とにかく静かな駐車場内。

 二人は自販機やベンチが近くにあって景色が一望出来る柵の前辺りにやって来て真彩が先に腰を下ろした。

「悪いな、こんな寒い中、外で話そうなんて言って。気休め程度だが、これで少しは暖がとれるだろう」
「……ありがとうございます」

 理仁は自販機で買ったミルクティーの缶を真彩に手渡しながら彼女の横に腰を下ろす。

 明かりが灯っていく景色を眺めながら、話し出すタイミングを(うかが)っているのか暫く沈黙が続いていく中、

「――理仁さん」

 その沈黙を破ったのは真彩で、手渡されたミルクティーを一口飲んだ後、理仁に声を掛けた。