「……変わるのって、そんなに悪いこと?」

 思ったよりも冷たい声が出たのが、自分でわかった。

 あの穏やかな、空き教室での"さいごの日"が嘘のようだった。

 低くて暗くて、恨みがましい声だ。

 きつくきつく、亮を睨みつける。

 亮はなぜか狼狽えたようで、わたしを見つめ返してきた。

 あの日の陽菜ちゃんのような冷たいわたしが、いま亮の目には映っているんだろうか。

 なつきも亮も「前は」って、「変わった」って、そう言うけれど。

 前のわたしが、そんなによかったの……?