なんで……？
どうして陽菜ちゃんは、こんな顔をしてるの？
心当たりが全くないわけじゃないけれど……。
陽菜ちゃんにこんな表情を向けられたのは初めてのことで、戸惑ってしまう。
「まりかさん。私もひとつ、質問していいですか？」
ひえびえとした陽菜ちゃんの声に、ちいさく頷いた。
「このおまじないが本当なら、まりかさんは何を願いますか？」
「え……」
思ってもなかった質問に、思わず一歩、足を引いた。
「……"あの日に戻りたい"って、そう願いますか？」
「……っ！！」
なに、どういうこと？
陽菜ちゃんになにを言われているのかわかるのに、信じたくない。
もしかして陽菜ちゃんは、知っているの？
わたしと、亮のことを……。
