というか、律の好きなタイプって、ちょっとなつきとかぶってない?
わたしは少しだけ口元を上げて、肘でなつきを小突いた。
「……よかった」
……って、ちょっと待ってなつき?
本音が声に出ちゃってるよ?
律のその言葉にほっとしたのか、なつきは思わず口走ったみたいだった。
慌てて口元を押さえるけど、もう遅い。
「……よかったって、なんで?」
鈍感な律は、まさかなつきが自分のことを好きだなんて微塵も思ってないんだろう。
本当になんの疑いもないまっすぐな目で、不思議そうになつきに聞いた。
……これはなつき、アピールのチャンスなんじゃない?
鈍感な律にはかなりはっきり言わないと、一生伝わらないかもよ?
そう思って目配せするけど、なつきはかなり動揺していた。