「なるほどねー。だからあいつ最近付き合い悪いのかよ。……しっかしまあ、亮、よくあんなかわいい子つかまえたよなー。ずっと彼女いなかったのに。タイプだったんかな? 梨木陽菜のこと」

 その言葉に、わたしの心はじりじりと痛む。

 タイプ、だったのかな、亮の。

 そうだとしたら、ほんとうにわたしとは正反対のタイプだ。

 ……そりゃあ変わるよね、好きなタイプなんて。

 だって亮がわたしを好きって言ってくれたときから、もう二年が経とうとしているし。

 ……だけど、他人からそうやって実際に聞くと、かなり傷付く。

 なんの罪もない律を、いまばかりはきつく睨んだ。

 本人は亮を待っているだろう陽菜ちゃんへ視線を向けたままで、わたしが睨んでいることには気付いていないけど。