思い返せば、中学校にあがってからは、急にいろんなことが変わった気がする。

 思春期、っていうのもあると思うけど……。

 それまで呼び捨てで呼ばれていたわたしの名前は、いつしか"佐多"になった。

 わたしは最初こそ、いままでと同じように亮とか律って名前で呼んでいたけれど。

 亮たちは、きっと周りに感化されたんだと思う。

 ほぼ初対面の町田小以外の男子は、わたしのことを佐多さんって呼ぶから。

 男子を名前で呼び捨てているのがいつの間にかわたしだけになっていて、周りとの違いに耐え切れなくなった。

 きっと亮たちもそうだったんだと思う。

 同じように、いつしかわたしもみんなの名前を呼ばなくなった。

 学校終わりにただの口約束だけで集まるのが当たり前だったのに、そうだったことも嘘みたいになくなった。

 いまは部活で放課後はへとへとっていうのも理由のひとつではあるけれど。

 ……ほんとうに、なにもかも変わった。

 それがわたしの思うことだ。

 周りに合わせて変わったから、いまだに名字で呼ぶことに違和感を覚える。

 それは、わたしが納得していない証拠なんだと思う。