……そうだ。
「そういえば、陽菜ちゃんが叶ったっていう三つの願いの行方は、どうなったんだろう……?」
陽菜ちゃんの恋まじないが本物なら、大切なものは必ず奪われる。
それは自分に気付かない形でそっと奪われるのかもしれないし、目に見える形であっという間に奪い去られるのかもしれない。
あの日から陽菜ちゃんに会っていないから、心配だ。
でも、わたしにこんな心配をされるのは癪だろうな。
「……梨木のは、恋まじないになってすらないと思うよ」
「そっか……」
「もう忘れよう、あんなまじないのことなんか」
「……そうだよね」
神様の恋まじないのことは、もう話題に出さないと約束した。
だってもう、わたしたちにそれが必要になる日なんて、来ないだろうから。