そんなわたしたちを見て、なつきがほっぺを膨らませた。

「あーあ、効くならやってみよっかな。あのおまじない」

 なつきがふいに不穏なことをつぶやいた。

 なつきの気持ちにまったく気付かない律に、そろそろ痺れをきらしたんだろう。

 おまじないに頼りたい気持ちはよくわかる。

 でも……。

「「いや、それは絶対やめといたほうがいい」」

 なんて、亮と声がはもっちゃった。

 顔を見合わせて笑ったわたしたちの様子に「あはは、すっかり元通りだね。あの頃に」って、なつきが笑った。