「まりか、おめでとー!」

「志田と佐多がまさかくっつくとは思わなかったわー」

「幼なじみだったんでしょ? 言ってよー! 知らなかった!」

 それから瞬く間に、わたしたちの噂は広まった。

 急に下の名前で呼びはじめたら、当然か。

 わたしからすれば昔の呼び名に戻っただけの話だけど、周りからはそうは見えないよね。

 人気者の亮と付き合うのに抵抗がなかったわけじゃないけれど、もうあの日みたいに後悔するのはいやだから。

 これからなにかいやなことが起こっても、それでも亮のことを諦めたくないと思ったから。

 新たな両想いを始めようって、わたしたちは晴れて付き合うことになった。