「とりあえず、座ろう」 「うん……」 まりかがよく腰かけていた青色のベンチに、前と同じように人ひとり分の間隔をあけて隣り同士に座る。 こうしてふたりきりで話すのは、あの夜以来だ。 ……俺は、あの日からずっと考えてた。 神様の恋まじないのこと。 ……そして、まりかのことをずっと。 まりかのことを盗み見ると硬い表情をしていて、緊張しているんだってわかった。 俺とおんなじだ。