「陽菜ちゃんがなにを勘違いしているのかわからないけど……。わたし、亮のことを取ってなんかないよ。なんていうか、告白したっきり、話してもないし……」

「はあ……? そんなわけないでしょっ!?」

 ……いや、ほんとうなんだけどな。

 でもこれ以上何を言っても逆効果なように感じて、怒っている陽菜ちゃんにどうすることもできなくなってしまう。

 あの夜をさいごに、亮とは一切会話をしていない。

 顔を突き合わせることすらないくらいだ。

 まるでわたしたちを引き離すかのごとく、翌日席替えがあった。

 亮と私の席はついに遠く離れて、前に比べるとよりいっそう喋ることはなくなった。

 わたしが告白したのは夢だったんじゃないかと思えるほどだ。

 ……だけど、今度話そうと言った亮の言葉を、わたしは信じて待っている。

 亮は毎日なにかを考えるそぶりをしていた。

 それが私の告白についてなのかはわからないけど……。

 きっと話すための準備をしてくれているのだと、気長に待つことにした。