「まりかさんが亮せんぱいになにかしたんでしょ!?」

 ものすごい剣幕で陽菜ちゃんに開口一番に責め立てられたのは、あの夜から一週間たった日の放課後のことだった。

 わたしを人気のない校舎裏に呼び出したかと思ったら、いきなり怒鳴りつけられたから驚いた。

 いつもきれいに整えているさらさらの髪の毛は乱れて、怒った顔は赤く染まってる。

 その様子を見て、やっぱり亮に良く見られたくて、いい子に見られようと頑張っていたんだなと思った。

 ほんとうに亮のことが好きなんだなって。

「ごめんね……」

 陽菜ちゃんに言われて、素直にすぐ謝った。

 陽菜ちゃんが怒るのも無理はないと思ったから。

 あれだけ邪魔するなと釘を刺されたのに、いくら諦めるためとはいえ、わたしはあの夜亮に告白してしまったんだから……。

 そのことがどこからか耳に入ったんだろう。

 きっとそうだ。