「俺……、思い違いをしてたのかも」

「え? どういう意味……?」

 本当に亮の言ってることがわからない。

「……ごめん、また今度話そう」

「えっ、ちょ、亮っ!?」

 何が何だかわからないうちに亮は自転車に飛び乗って、その背中は遠くに消えていった。

 こんな真夜中に、普通女子ひとり残して先にいく……?

「ていうか、わたしの告白はいったいどうなったの……?」

 むなしいわたしのひとりごとが、夜の闇に紛れて溶けていった。