「好きだったって、言ったけどさ」

 俺の中ではずっと、くすぶったままの感情がある。

 それはあの日……、神様の恋まじないをしたことによって、永遠にそのままになってしまった。

 本当のことを話す日なんて、このままずっと来ないと思ってた。

 だけど……。

「恋まじないをした日のこと、まずは聞いてほしい」

 まりかの名前を紙に書いたあの日と同じくらいの勇気を振り絞って、俺はまりかをじっと見つめた。

 ちいさく頷いたのを見て、静かに話し始める。

「さっきも言ったけど、神様の恋まじないは、正真正銘本物だ。迷信なんかじゃない」

 俺がそう言うと、まりかは「……うん」と戸惑いながらもちいさく頷いた。

「……だから、まりかにはやってほしくなかった。絶対に」

 だって、俺は本当に奪われたから。

 一番大切だったものを、神様に……。