これ以上いると色々危なくなりそうだと、お風呂から上がって部屋に戻る。

カウンターチェアに並んで座り、フレッシュジュースを飲みながら、窓の外に広がるきれいな景色を眺めた。

「幸せだなぁ。明日もずっと一緒にいられるんだよね?」

もちろん、と工藤くんは笑顔で頷く。

「嬉しい。去年のクリスマスは、神社に行ったよね?」

「あはは!そうだったな。でもその時に約束しただろ?来年のクリスマスは、一日中一緒に過ごそうって」

「うん。約束守ってくれてありがとう!」

「こちらこそ。結衣と過ごせる時間が何よりも幸せだよ」

「ふふっ、私も」

笑いかけると、工藤くんはちょっと困ったような表情になる。

「どうかした?」

「ん?いや。それより結衣、もう真夜中だよ。明日もあるし、そろそろ休んだら?」

「うん、そうだね。工藤くんは?」

「俺は少し課題やってから寝るよ」

「そうなんだ。旅行に来てまで大変だね。がんばってね」

「ああ」

歯磨きを済ませると、ふわぁとあくびをしながらベッドに入る。

工藤くんがベッドサイドの照明を絞ってくれた。

「先に寝ちゃってごめんね」

「いや、寝てくれた方がありがたい」

「ええー?それは私が勉強の邪魔だから?」

「違うよ。ほら、もう目を閉じて」

「うん。おやすみなさい」

「おやすみ、結衣」

私はトロンと重くなるまぶたに抵抗しながら、最後に工藤くんを見上げた。

「明日の朝目が覚めても、いなくなってないよね?」

「当たり前だろ?ちゃんと結衣のそばにいるよ」

「良かった…」

微笑んでから、私はスーッと眠りに落ちていく。

「まったく…、どこまで可愛いんだ」という工藤くんの呟きと、唇にふわっと柔らかな感触を感じながら…