「結衣、冬休みどこかに旅行に行かない?」

秋になり、いつものように図書館で一緒に勉強していると、ふいに工藤くんが顔を上げて聞いてきた。

「え、いいの?行きたい!」

「よし、じゃあ行こう」

「でも工藤くん、時間あるの?」

「2泊3日なら大丈夫。ごめん、海外は無理だな」

「ううん、国内でも嬉しい!どこに行くの?」

「結衣の行きたいところならどこへでも」

「ほんと?!どこがいいだろう…。あ、早速調べてくる!」

旅行のガイドブックが並ぶコーナーへ向かう私を、工藤くんはクスッと笑って見送っていた。