「結衣ー、そろそろ行かないと入学式に遅れるわよ」
「はーい!」
お母さんに返事をしてから階段を下り、玄関に向かう。
4月になり、私はいよいよ大学の入学式の日を迎えていた。
「あら、いいじゃない。似合ってるわよ、そのスーツ」
「えへへー、そう?」
私は思わずニンマリしながら、スカートをつまむ。
春休みに工藤くんと一緒に選びに行った時、可愛いと褒めてくれたスーツなのだ。
今日も、入学式のあとに会う約束をしている。
「やだわー、ヘラヘラしちゃって。結衣、のぼせ過ぎじゃない?まあ、あの工藤くんがお相手なら浮かれるのも分かるけどね」
お母さんは卒業式の工藤くんの答辞にいたく感激し、あの子が結衣の彼氏よ!と、思わずお父さんに爆弾を投げてしまったらしい。
その日の夕食の席で、お父さんはなんとも複雑な表情で、寂しそうに肩を落としながら食べていた。
「あんな完璧な彼氏なら、反対しようがない。けどなあ、相手が誰でもやっぱり嫌だ…」と、ブツブツ呟いていたっけ。
「はーい!」
お母さんに返事をしてから階段を下り、玄関に向かう。
4月になり、私はいよいよ大学の入学式の日を迎えていた。
「あら、いいじゃない。似合ってるわよ、そのスーツ」
「えへへー、そう?」
私は思わずニンマリしながら、スカートをつまむ。
春休みに工藤くんと一緒に選びに行った時、可愛いと褒めてくれたスーツなのだ。
今日も、入学式のあとに会う約束をしている。
「やだわー、ヘラヘラしちゃって。結衣、のぼせ過ぎじゃない?まあ、あの工藤くんがお相手なら浮かれるのも分かるけどね」
お母さんは卒業式の工藤くんの答辞にいたく感激し、あの子が結衣の彼氏よ!と、思わずお父さんに爆弾を投げてしまったらしい。
その日の夕食の席で、お父さんはなんとも複雑な表情で、寂しそうに肩を落としながら食べていた。
「あんな完璧な彼氏なら、反対しようがない。けどなあ、相手が誰でもやっぱり嫌だ…」と、ブツブツ呟いていたっけ。