「結衣!」

「工藤くん!」

図書館の前で、私は工藤くんが広げた両腕の中に飛び込んだ。

「おめでとう!結衣」

「工藤くんも、おめでとう!」

二人でしばらく喜びに浸る。

「二人とも合格なんて、本当に嬉しい」

「ああ。今までよくがんばったな、結衣」

「工藤くんのおかげだよ。ありがとう」

「俺の方こそ、どれたけ結衣に支えてもらったか。心強かったよ、ありがとう」

「ふふっ、お互いに心の支えだったんだね。それにしても工藤くん、春から医学生か。すごいなぁ。これで私、いつ風邪引いても安心だね」

「あはは!なんだよ、それ。結衣にはいつも元気でいてもらわなきゃ。熱出されたりしたら、心配でたまらない」

「やだ、なんかお子様扱い?」

「違うよ。俺の大事な彼女だからさ」

私はもう、嬉しいやら恥ずかしいやらで、赤い顔をどうしていいのか分からない。

とにかく少し落ち着こうと、隣にある公園のベンチに座った。