新しい年になり、いよいよ受験が始まった。
私と工藤くんは、それぞれ受験の日の朝は、お互いに電話で励まし合って健闘を祈った。
試験会場に着くと、否が応でも緊張感が高まってしまう。
そんな時は、胸元のネックレスをギュッと握って気持ちを落ち着かせた。
「忘れないで、俺はいつだってそばにいる」
クリスマスの日に工藤くんがくれた言葉は、どんな時も私を支えてくれる。
(私は一人じゃない。工藤くんだってがんばってるんだ)
そう思うと心の底から勇気が湧いてきた。
滑り止めも含めて何校か受験を終え、あとは発表を待つばかり。
まずは二人とも第二志望の私立大学の合格が決まり、ひと安心と喜び合った。
残すは本命の合格発表のみ。
奇しくも、私も工藤くんも合格発表の日は同じだった。
時間になり、私はリビングでお母さんと一緒にドキドキしながらウェブサイトのページを開く。
受験番号を入力してから深呼吸し、意を決してエンターボタンを押すと、パッと画面が切り替わり、合格の文字が目に飛び込んできた。
「キャー、やったね!結衣」
しばし呆然としているとお母さんに抱きつかれ、ようやく実感が湧いてきた。
「ご、合格。受かった。嬉しい…」
「がんばったねー、結衣!おめでとう!」
「ありがとう」
目元に浮かんだ涙を拭っていると、スマートフォンの着信メロディが鳴り始めた。
表示を見て、急いで電話に出る。
「もしもし、工藤くん?」
「結衣、結果出た?」
「うん、合格した!」
「そうか、やったな!おめでとう!」
「ありがとう。工藤くんは?もう分かったの?」
「ああ。俺も合格した」
「ほんと?!やったー!!」
気がつくと、私は立ち上がってぴょんぴょん飛び跳ねていた。
「良かったー。嬉しい!私達、二人とも合格したんだね」
「ああ。結衣、今から会える?会いたい」
「私も、今すぐ会いたい!」
「分かった。じゃあ図書館で待ってる」
「うん!すぐ行くね」
電話を切ると、お母さんと目が合った。
「あ…」
(しまった。すっかり忘れてた)
私の顔から一気に笑顔が消える。
一方でお母さんはニヤリと意味深な笑みを浮かべた。
「行ってらっしゃーい。お母さんからのお祝いの言葉も伝えてね。『合格おめでとう、工藤くん。これからも結衣をよろしくね』って」
うぐっ…と私は言葉に詰まる。
「お、お母さん。これは、あの…。だから、違うのよ」
「違わないでしょー?ほらほら、早く行かないと。待ってるわよ?工藤くん」
私は何も言い返せずに、お母さんに背中を押されて部屋を出た。
私と工藤くんは、それぞれ受験の日の朝は、お互いに電話で励まし合って健闘を祈った。
試験会場に着くと、否が応でも緊張感が高まってしまう。
そんな時は、胸元のネックレスをギュッと握って気持ちを落ち着かせた。
「忘れないで、俺はいつだってそばにいる」
クリスマスの日に工藤くんがくれた言葉は、どんな時も私を支えてくれる。
(私は一人じゃない。工藤くんだってがんばってるんだ)
そう思うと心の底から勇気が湧いてきた。
滑り止めも含めて何校か受験を終え、あとは発表を待つばかり。
まずは二人とも第二志望の私立大学の合格が決まり、ひと安心と喜び合った。
残すは本命の合格発表のみ。
奇しくも、私も工藤くんも合格発表の日は同じだった。
時間になり、私はリビングでお母さんと一緒にドキドキしながらウェブサイトのページを開く。
受験番号を入力してから深呼吸し、意を決してエンターボタンを押すと、パッと画面が切り替わり、合格の文字が目に飛び込んできた。
「キャー、やったね!結衣」
しばし呆然としているとお母さんに抱きつかれ、ようやく実感が湧いてきた。
「ご、合格。受かった。嬉しい…」
「がんばったねー、結衣!おめでとう!」
「ありがとう」
目元に浮かんだ涙を拭っていると、スマートフォンの着信メロディが鳴り始めた。
表示を見て、急いで電話に出る。
「もしもし、工藤くん?」
「結衣、結果出た?」
「うん、合格した!」
「そうか、やったな!おめでとう!」
「ありがとう。工藤くんは?もう分かったの?」
「ああ。俺も合格した」
「ほんと?!やったー!!」
気がつくと、私は立ち上がってぴょんぴょん飛び跳ねていた。
「良かったー。嬉しい!私達、二人とも合格したんだね」
「ああ。結衣、今から会える?会いたい」
「私も、今すぐ会いたい!」
「分かった。じゃあ図書館で待ってる」
「うん!すぐ行くね」
電話を切ると、お母さんと目が合った。
「あ…」
(しまった。すっかり忘れてた)
私の顔から一気に笑顔が消える。
一方でお母さんはニヤリと意味深な笑みを浮かべた。
「行ってらっしゃーい。お母さんからのお祝いの言葉も伝えてね。『合格おめでとう、工藤くん。これからも結衣をよろしくね』って」
うぐっ…と私は言葉に詰まる。
「お、お母さん。これは、あの…。だから、違うのよ」
「違わないでしょー?ほらほら、早く行かないと。待ってるわよ?工藤くん」
私は何も言い返せずに、お母さんに背中を押されて部屋を出た。