ただ心配なのが、仕事に対する姿勢が相道さんと似ている。そんな2人を受付に置いて、患者さんやドクターに迷惑がかからないだろうか。


「けど、今からどうしようもないからな。思い切り楽しむしかないだろ」
「まぁ……そうよね」


翔くんの言う通りではある。もうすぐハワイへ到着するというのに、今さらどうすることもできない。

そんなことを考えていると機内アナウンスが流れ、ハワイのメイン空港であるダニエル・K・イノウエ国際空港へ到着したことを知らせた。

到着するまでにすでに飽きてしまった瑠愛を連れて飛行機を降りると、空港付近に停まっているタクシーに乗り込み、まずはホテルへ向かう。

英語がまったくダメな私は、翔くんに任せっきりだ。


「翔くん、さっきなんて伝えたの?」
「ホテルの名前。真衣は、昔から英語無理だもんな」


そう言いながら、ニヤリと白い歯を見せる翔くん。

そういえば中学生の頃、1度だけ翔くんに英語の問題について質問した記憶がある。しかも、42点という散々な英語のテストを持って。

点数には触れずに丁寧に教えてくれたけれど、まさかそんなことを覚えているとは。


「それは忘れて」
「無理だな。中学時代の、唯一の思い出だ」

「本当にやめて……」