ここは一つ。ゴールデンウィーク中にコソコソ計画してきたハワイ旅行をプレゼントして、リフレッシュしてもらわないとな。

新婚旅行も兼ねてだ。ホテルも、最高にいいところを予約してある。


「真衣。家のこと、負担になってないか?」
「全然平気だよ。急にどうしたの?」
「いや、毎日大変だろうなぁって」

「……翔くん、どこか頭打った?」


真衣の言葉に、食事している手を止めた俺。

……これはまずいぞ。やっぱり流れが不自然だったろうか。

普段そんなことを聞かない俺が突然家事のことについて触れるなんて、なにか企んでいることがあからさますぎかもしれない。


「いや、もう単刀直入に言う。いつもありがとうの気持ちを込めて、真衣にハワイ旅行をプレゼントしようと思って」

「……は? え、どうして? 外来は?」
「えぇっ……7月中旬くらいに、1週間の夏休みをもらう予定で」


おい、俺。雲行きが怪しいぞ。

もっと真衣の喜ぶ顔が見れると思っていたのに、予想外の反応をするので戸惑う。


「真衣、たまにはリフレッシュしよう。俺たち、新婚旅行も行ってないだろ?」
「うーん……そうだけど」


だけどなんだ? もしかして、瑠愛を連れての海外旅行が心配とかか?


「1週間も外来空けて平気?」
「あぁ。当直も代わってもらう予定だ」