そんなことまで、よく知ってるな。
でも、浜岡の言う通りだ。

俺の仕事が忙しすぎて、まとまった休みが取れない。結婚してもう4年が経とうとしているのに、新婚旅行すら行けてないない。


「計画してみるか」


たまには浜岡もいいこと言うじゃいか。

俺たちの結婚が決まりプロポーズを計画すると相談したときにも彼に相談し失敗に終わったが、今回は上手くいきそうだ。

「まぁ頑張れよ」と浜岡に励まされた俺は、お酒と料理をすべて平らげ、彼と別れた。


そして浜岡と会ってから1週間。
ゴールデンウィーク中は当直とオンコールでしこたま働かされ、1日オフとなったのは連休最終日のみ。

瑠愛を連れて遊びに行こうと思っていたのだが、『ダメ。連休中はずっと働いていたんだから休んで』と、真衣に止められた。

やはり、真衣は優しい。だからと言ってその優しさに甘えてばかりではいけない。


「真衣、今日は19時くらいに帰れると思うから」


外科の受付で明日の準備をしている真衣に話しかける。彼女の横では相道さんが顔をしかめたが、それをわかって真衣に話しかけたのは故意にだ。

最近、真衣と俺は結婚指輪を付けている。それだけではなく〝夫婦〟としての会話を相道さんの前で繰り広げ、彼女をけん制することにしたのだ。

それでも相道さんは、負けじと俺に話しかけてくる。